福岡の博物館ー福岡城むかし探訪館
マスコットの「ふくおか官兵衛くん」と「長政くん」(顔のところが空いてるので記念写真が撮れます)です。
プロローグ
先日、用事で大濠公園の近くに行ってきました。用事が早く終わりましたので、大濠公園の隣の舞鶴公園内にある「福岡城むかし探訪館」に行ってきました。福岡城跡にも行ってきましたので、後日「福岡城跡」についても記載しようと思ってます。
余談ですが、藤井聡太ニ冠(王位・棋聖)が令和二年ハ月二十日に王位奪取し、史上最年少二冠に決まった場所が大濠公園内にある「大濠公園能楽堂」です。
[ 目次]
概要
2012年(平成24年)4月、舞鶴公園内福岡城跡にオープンしましたのが「福岡城むかし探訪館」です。黒田如水・長政親子が築いた「福岡城」の歴史と魅力をいろんな手法で紹介する施設です。
「時空のバーチャルムービー」では、昔の福岡城をCGで再現してます。迫力あるリアルな映像は圧巻で、福岡城の勇壮な姿を映し出します。映像の中には、謎に包まれている福岡城の天守閣が登場します。
また、床一面に広がる古地図や福岡城の立体模型を通して、さまざまな角度から福岡城を身近に楽しく体感できます。
施設内MAP
反対側から見ます
立体模型と古地図
江戸時代の福岡城下の古地図を貼った床の中央には、縮尺400分の1の福岡城の再現立体模型を展示してます。ありしの日の福岡城などが一望できます。
下の立体模型は上の地図にほぼ合致します。下にある大きな池の左斜めにある白い建物が「まぼろしの天守閣」です。
下の写真は日本建築学会の第一人者、早川正夫氏指導の作品で、城郭全体を精密に縮尺四百分の一で、約9㎡の大きさにまとめたもので、福岡城跡前、明治通りに面した新日本製薬(株)ビルの玄関内ロビーに展示されています。
床の古地図です。
黒田家の名宝とゆかりの地の数々
福岡には黒田官兵衛と黒田家ゆかりの地が点在しており、名宝の多くが福岡市博物館や福岡市美術館に所蔵されてます。
黒漆塗桃形大水牛脇立兜
(くろうるしぬりだいすいぎゅうわきだてかぶと)
八幡の神の加護を祈って献上された名物兜。福岡藩の初代藩主・黒田長政(1568~1623)の兜です。兜の両脇の金色の角は,水牛の角をかたどっています。
長政の兜として有名な「一の谷兜」とともに,重要文化財に指定されています。兜の本体,ヘルメットの部分が桃の形ににているので「桃形」兜と呼ばれます。長政のトレードマークとなりました。福岡市博物館所蔵。
太刀「日光一文字」
(にっこういちもんじ)
小田原攻めの際、北条氏に降伏を説得し、その礼として北条氏から贈られるたもの。華やかな刃文とその美しい姿で知られる名刀。太刀が収められていた葡萄文蒔絵箱と合わせて国宝です。福岡市博物館所蔵。
刀「へし切長谷部」
(へしきりはせべ)
「福岡城むかし探訪館」にあるレプリカ
当時の主君小寺政織にかわって織田信長に面会した際に拝領したもの。信長の怒りをかった茶坊主が棚の下に隠れたところに、信長がこの刀を差し込んで圧し切ったことが名前の由来です。国宝。福岡市博物館所蔵。
古地図で時空散歩
400年前に現在の舞鶴公園に52万石を治める福岡藩の城が造られました。公園内に残る頑強な石垣、門、櫓などが当時の城を物語り、私達を遥かな時へといざないます。そんな福岡の今と昔が交差する場所に立つのが「福岡城むかし探訪館」です。福岡城のあった時代の地図で福岡城の魅力を紹介します。
下の写真の地図は東から西へ、博多湾を抱く福岡市の古地図です。今のまちの位置を重ね合わせた地図なので、今昔のまちの変化をうかがうことができます。地図には福岡市のまちの情報を紹介するQRコードが配置されています。
福岡藩の初代藩主となった黒田長政は最初、もともとあった名島城(現・東区)に入ります。
しかし、土地が狭いことを理由に新しい城を築くことを検討、候補地の中から、前面は海と地の利がよいだけでなく商業都市・博多に近く、西に大きな入江、背面は丘陵地ということに目をつけ、警固村福崎の地(現・舞鶴公園)に、慶長6年(1601)から約7年の歳月かけて築城しました。
築城のプロ・黒田如水と勇将・長政父子
豊臣秀吉や徳川家康も一目置いたのが軍師・黒田如水と、その子長政、慶長5年(1600)の関ヶ原の闘いで勝利に大きく貢献した長政は、中津(現大分県中津市)12万石から筑前50万石(後に52万余石)へと加増され、筑前福岡藩の初代藩主となり、新しい城を築きます。
如水、長政の父子は、黒田家の故郷、備前国邑久郡福岡(現・岡山県瀬戸内市長船町)にちなみその城を「福岡城」と命名しました。実戦経験が豊富で、大阪城の縄張り図も手掛けた築城のプロ、如水、加藤清正、藤堂高虎とともに三大築城の名手といわれてます。また、息子・長政は武勇に優れ、数々の武功を挙げた勇将です。福岡藩の繁栄は、この二人がいたからこそもたされたと言っても過言ではありません。
今日、福岡では如水、長政父子が眠る崇福寺をはじめ、藩ご用達の店など至る所で黒田家の足跡をたどることができます。また、「酒は吞め呑め・・・」の歌詞でお馴染みの黒田節ももと福岡藩士によって広まったもので、今や全国に知られてます。
忍者も泣いた不落の名城
下の地図で赤印が櫓で黒印が城門です。
海側から望むと、鶴が羽ばたく姿に似ていることから「舞鶴城」とも呼ばれた福岡城。城の内郭面積約410.000㎡(約124.000坪)の巨大な城には、敵が攻めにくい複雑な石垣の上に、侵入を防ぐための大小47の櫓や10を超える城門が置かれてました。
さらに城郭には周囲には堀を張り巡らせます。南北(築堀)や東(中堀・肥前堀)に新たな堀を築いて博多湾や那珂川と結び、くまなく水を還流させました。その堀を潜るには浅すぎ、立つには深すぎる忍者泣かせの傑作です。
当時入り江で湿原化していた西の草香江は博多湾と分離して大堀(大濠)に。今は大濠公園として市民に親しまれています。堀は現在も明治通り沿いや南西側の一部に残り、地下には石垣の遺構も公開されてます。そして、福岡城跡に整備された舞鶴公園。天守台、本丸、二の丸、三の丸・・・と東西1km、南北700mにおよぶ城跡を眺めれば、目の前に往時の大城が浮かび上がるようです。
福岡城に天守閣がない謎
これまで福岡城には天守閣がなっかたと考えられてきました。というのも正保3年(1646)に描かれた福岡城の絵図『福博惣絵図』には天守閣はなく、如水・長政親子は幕府に遠慮して建てなっかたというのが定説でした。
ところが近年、元和6年(1620)に小倉藩主の細川忠興が三男・忠利に宛てた手紙に、「長政が幕府に配慮し、天守などを取り壊すと語った」という記述が発見されて、存在が浮上してます。実際に造ったものの、十数年で取り壊したのでは?と論議を読んでいます。
今も礎石が残る大天守台に登れば、大濠公園や福岡市街、背振山や立花山まで見渡せる見晴らしの良さです。天守閣の存在は定かではありませんが、黒田如水や長政も眺めたであろう大天守台からの眺望は昔の風景を彷彿させます。
時空の風景
福岡城の昔の風景が浮かび上がる館内のガラス窓です。展示を鑑賞する合間にふと窓に目を移すと、当時にタイムスリップしたような感覚に包まれます。
太鼓橋
本丸の南西側に位置し、裏御門の西に隣接するように立っていた太鼓櫓、御時櫓と同じように「時」を告げていたのか、あるいは城内に登城を合図していたのか、その名の通り太鼓台が設けられていたようです。
太鼓櫓は、大正5年(1916)に本丸裏御門とともに黒田別邸(現・福岡市中央区舞鶴)に移築されたとみられますが、戦災によって多くを焼失しました。戦後、「潮見櫓」と伝えられた櫓のみが下之橋御門の脇に移築されました。現在、「伝潮見櫓」といわれている櫓は、実は太鼓櫓であった可能性が高いと考えられています。
松ノ木坂御門
門は城に敵が入る時に最初に目標となる場所です。そのため、門の周辺にはさまざまな工夫がされています。二の丸に通じる松ノ木坂御門の櫓群も、実践的な防御性を狙って櫓が配置されていたようです。現在、松ノ木坂御門へ登る道には石垣が残されていますが、この石垣上に平櫓であった大組櫓があり(写真左手)、櫓門をはさんで右手に見える向櫓との続き櫓だったようです。
武具櫓
天守台南側に面する本丸南側の郭を囲むように、東三階櫓から西三階櫓の間に連なる二重二階の武具櫓には、戦いに備えて武器が格納されていました。
大正8年(1919)、旧黒田家の浜御殿(現・福岡市中央区舞鶴)に移築されましたが、昭和20年(1945)に空襲で焼失しました。城内では、現在も残る長く連なる石垣と一部の礎石が、往時の姿を彷彿させます。(黒田家別邸に移築後の写真)
時空のバーチャルムービー
昔の福岡城をCGで再現。迫力あるリアルな映像は圧巻です。映像の中には、いまだ存在が謎に包まれている福岡城の天守閣が登場します。今と昔を交差しながら、天守閣までの散策コースを歩きます。
下の動画ではCGを使って福岡城の今と昔を交差させながら説明してます。
施設の後方にある福岡城関連等の書籍です。
このブログは「福岡城むかし探訪館」のサイトを参照しました。
アクセス
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〒810-0043 福岡県福岡市中央区城内1-4
●地下鉄をご利用の場合
「赤坂」「大濠公園」下車 徒歩約8分
●バスをご利用の場合
「福岡城・鴻臚館前」「福岡市美術館東口」「大手門・平和台陸上競技場入口」下車
徒歩約5分〜8分
「赤坂3丁目」下車 徒歩約10分
●車をご利用の場合
都市高速「天神北ランプ」「西公園ランプ」より約3キロ圏内に
駐車場あり
ご利用案内
電話 092-732-4801 FAX 092-732-4802
メール tanboukan@fukuokajyo.com
◎開館時間 9:00〜17:00
◎休館日 年末年始(12月29日〜1月3日)
◎入館料 無料
最後に
来福の際は、是非「福岡城むかし探訪館」にお越しください!